
近年、テレビなどでもよく耳にする「ゲリラ豪雨」や「集中豪雨」という言葉。
気象庁のデータでも、時間降水量80㎜以上の「猛烈な雨」はここ30年で約1.7倍に増加しているとの発表が。そんな近年の豪雨は、一般住宅にさまざまな被害を引き起こしてしまうことがあり、毎年ゲリラ豪雨の後には「雨漏りがしてきて…」といった問い合わせが急増します。
いつ発生するか予測しづらいゲリラ豪雨が増えています。そこでこの記事では、夏場のゲリラ豪雨に備えるため、事前にチェックしておきたい雨漏りのポイントについて解説していきたいと思います。
目次
0 実は多い!?外壁からの雨漏り
1 ゲリラ豪雨で雨漏りしてしまう原因
2 ゲリラ豪雨で雨漏りさせないためのチェックポイント
2.1 屋根のチェックポイント
2.2 雨樋のチェックポイント
2.3 窓・ドアのチェックポイント
2.4 外壁のチェックポイント
2.5 ベランダや屋上のチェックポイント
3 まとめ
実は多い!?外壁からの雨漏り
雨漏りというと普通は屋根から漏れていると考えがちですが、実は外壁に問題や原因があるケースがとても多いのです。「雨漏りしたので屋根を点検してもらったけど、業者の方には『屋根は特に問題はありません』と言われた」という方も外壁から雨漏りしていたケースが実は多いのです。屋根に問題はないのに何故雨漏りするの?業者の人はしっかりと調査したの?と疑心暗鬼になられる方もいらっしゃると思いますが、そもそも外壁からの雨漏りの原因を特定するのは難しいのです。
屋根からの雨漏りは被害の状況も明白なことが多く、雨漏り個所の特定も比較的容易です。しかし、外壁はサッシ(窓)や雨戸、バルコニー等とも接しており、雨漏りの原因となる箇所が広範囲にわたっている可能性もあります。さらに構造内部を雨水が伝っていれば根本の特定は難易度を増します。
そうなる前に、屋根以外の部分も含めた劣化やひび割れのチェックをしておきましょう。
ゲリラ豪雨で雨漏りしてしまう原因とは?
日本は、一年中雨が降る可能性のある国ですから雨漏りの可能性はいつでもあるように思えます。しかし、普段の雨では雨漏りしないのにゲリラ豪雨の時だけ雨漏りしてしまうということも少なくありません。
では、何故ゲリラ豪雨の際に雨漏りが起こってしまうのか?
住宅で発生する雨漏りの多くは、シーリング(コーキング)の劣化が原因となっていることが多いです。シーリングは、外壁材同士のつなぎ目を埋める目的や、窓やドアのサッシに生じる隙間を埋めるために施工されるゴムのような素材です。
このシーリング材は、紫外線の影響などで徐々に硬化してしまい、亀裂が入ったり剝がれてしまうなどの劣化を引き起こします。通常のちょっとした雨などであれば、問題なく防げる場合であっても、ゲリラ豪雨のような打ち付けるような非常に激しい雨の場合は、内部にまで水が入り込み雨漏りしてしまうということが多いです。
ゲリラ豪雨で雨漏りさせないためのチェックポイント
では、夏場のゲリラ豪雨に備えるには、どういった個所を点検しておけばいいでしょうか?ご自身で点検できる箇所から、場所によっては、ご自身で確認することが難しい箇所も含めてご紹介していきます。一般の方が目視で確認しただけでは判断がつかない劣化などもありますので、可能であれば専門業者に点検を依頼することがオススメです。
屋根のチェックポイント
まず、屋根のチェックポイント。屋根は、住宅の中でも最も劣化が早く雨漏りの原因になりやすい箇所です。ゲリラ豪雨の非常に激しい雨で一気に劣化が表面化してしまい、雨漏りが発生するケースが多いです。
夏本番を迎える前には、屋根材にひび割れやズレ、捲れや剥がれなどがないかを確認しておきましょう。また、棟板金や屋根板金などに浮きが生じて隙間ができてしまっていると、そこから雨水が侵入するケースをありますので雨仕舞部分も点検しておきましょう。
雨樋のチェックポイント
意外と多いのが雨樋からの雨漏り。ゲリラ豪雨のような非常に激しい雨の場合、雨樋の排水能力を雨量が超えてしまい、その結果雨漏りを引き起こしてしまうというケースもあります。
そのため、雨樋の点検も抜かりなく行うべきでしょう。点検の方法としては、雨樋上にゴミが溜まっていないかの確認。ゴミが溜まってしまうことで排水不良を起こしてしまいます。次に、継手のズレや外れがないか、支持金具が歪んで傾斜がズレていないかなどを確認しましょう。雨樋の近くにも高い木がある場合や、家の裏が山になっていている場合などは、雨樋上に落ち葉が溜まってしまうことがあるため、それを防ぐための防護ネットなどを設置するのがオススメです。
窓・ドアのチェックポイント
続いては窓やドアの雨漏りポイント。窓やドアがしっかりとしまっていれば雨水が入ってくることはないと思っていませんか?実はそこが大きな落とし穴なんです。冒頭でもっ触れたように、シーリングやコーキングが劣化してしまうとその部分から雨水がしみ込んで雨漏りにつながる場合があります。
そのため、夏前には窓やドア部分のコーキングが劣化していないかも確認しておきましょう。
外壁のチェックポイント
雨漏りなのに外壁から?と思ったかたも多いかもしれません。ですが、何を隠そう、実は外壁からの雨漏りが非常に多いというのが現状です。上述した、窓やドアの部分と同じように、外壁材と外壁材のつなぎ目部分に施工されているシーリングが劣化してしまっている場合などに、外壁材の亀裂部分から雨水が侵入してしまうというケースが多く見られます。また、外壁塗装の劣化が原因となるケースも多く見られます。外壁の塗装には雨水を弾いて侵入を防ぐ役割もあります。その外壁塗装が劣化しはがれてしまっていると、外壁に当たった雨水が外壁材を通して中へと侵入し雨漏りとなってしまいます。
一見、雨漏りには関係なさそうに見える外壁もしっかりとチェックしておきましょう。
ベランダや屋上のチェックポイント
ベランダの部分も実は雨漏りの原因になることが多いためチェックが必要です。ベランダ部分というのは住宅の中でも特殊な箇所で、住まいとなる部分からは突き出した作りになっています。そのため、雨の影響を受けやすく、床部分の亀裂や木材の浮きなどから水が侵入してしまう場合がありますので注意が必要です。
また、ベランダ部分にテラスなどの屋根を採用している住宅は、排水機能のチェックも忘れないようにしましょう。特に、ゲリラ豪雨などの場合は屋上に大量の雨水が降り注ぐため、排水機能が追いついていないと雨漏りにつながってしまうというケースがありますのできちんとチェックしておきましょう。
まとめ
本記事では、これから迎える夏本番に向けてゲリラ豪雨で雨漏りさせないための住宅のチェックポイントをご紹介いたしました。特に、近年ではゲリラ豪雨の発生率も増しており水害なども多く発生しております。
河川の氾濫や土砂災害だけでなく、住宅での雨漏りなども水害として捉えてしっかりと対策を講じる必要があるでしょう。雨漏り修理やチェックを先延ばしにしてしまうと住宅全体の劣化へと発展し、修繕にかかる費用もどんどん増していきます。普段のチェックを心がけ、早め早めに行動しておきましょう。
点検や修繕に不安のある方は、迷わず専門業者へ連絡し、点検と修繕を依頼しましょう。